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ボラティリティ(Volatility)

投資の世界におけるボラティリティ(Volatility)は、価格の変動の激しさを表す指標。単に「リスク」と呼ぶことも多いが、定量的な分析においては「平均値からどれくらい離れているか(分散・標準偏差)」を指す。

2種類のボラティリティ

  • ヒストリカル・ボラティリティ(HV / 歴史的ボラティリティ): 過去の価格データに基づいて算出される変動率。一般的には日次の収益率(対数収益率)の標準偏差を年率換算したものが使われる
  • インプライド・ボラティリティ(IV / 予想ボラティリティ): 現在のオプション市場などの価格から逆算される「市場参加者が予測する将来の変動率」。代表的なものに米国株市場の恐怖指数と呼ばれるVIX指数がある

数学的な捉え方

統計学的には、ボラティリティは「標準偏差(σ)」で表される。価格の分布が正規分布に従うと仮定した場合:

  • 1σ(平均±ボラティリティ1倍): 約68.3%の確率で価格がこの範囲内に収まる
  • 2σ(平均±ボラティリティ2倍): 約95.4%の確率で価格がこの範囲内に収まる

例: 年率ボラティリティが20%の銘柄の場合、1年後に価格が±20%の範囲内に収まる確率が約68%ある。

リスク調整後リターン:シャープレシオ

単に「利益(リターン)」だけを見ていると運任せの投資になりかねない。ボラティリティを考慮した指標としてシャープレシオ(Sharpe Ratio)が非常によく使われる。

\[ \text{Sharpe Ratio} = \frac{R_p - R_f}{\sigma_p} \]
  • \(R_p\): ポートフォリオの期待収益率
  • \(R_f\): 無リスク資産の利率
  • \(\sigma_p\): ポートフォリオのボラティリティ(標準偏差)

「1のボラティリティに対して、どれだけ効率的にリターンを上げられたか」を示す数値が高いほど、安定して優れた戦略と評価される。

ボラティリティと最大ドローダウン(MDD)の関係

ボラティリティが高い戦略は、短期間で大きな利益を得る可能性がある一方で、最大ドローダウン(MDD:資産のピークからの最大下落率)も深くなる傾向がある。

  • ボラティリティ: 日々の「ゆらぎ」の大きさ
  • ドローダウン: 負けが込んだ際の「痛みの深さ」

いくら期待リターンが高くても、ボラティリティをコントロールできなければ、MDDに耐えきれず運用を断念(退場)することになる。プロの運用ではボラティリティ・ターゲティング(ボラティリティが一定になるようにポジション量を調整する手法)などが頻繁に使われる。

ボラティリティ・クラスタリング

相場には以下の性質がある。

  • ボラティリティが高い状態(荒れた相場)はしばらく続く
  • ボラティリティが極端に低い状態(静かな相場)もしばらく続くが、それは爆発的な価格変動の前触れであることが多い

ボラティリティが低い時期に、しっかりと次のトレンドに備えて戦略を練ることが、リスクを抑えつつ利益を狙うための鍵となる。

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引用元: Gemini